びっくりした本:ある奴隷少女に起こった出来事

いや~~とにかく びっくりしました!

<2013年4月 大和書房発行>

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120年も前に出版された本が、

今 Kindle(英語版)の世界古典名作ランキングで

「ジェイン・エア」などと並んで上位に! 



い、いえ、この内容に まずびっくりしたのは、訳者の堀越ゆきさんで、

「この本を少女時代に読んでいたら・・・」と悔やむ気持ちから、翻訳されたとか。



奴隷だったハリエット・アン・ジェイコブズさんが綴った半生記。

いい白人もいれば、悪い黒人もいる。

もちろん、その逆の人たちも。


あまりにちゃんとした文章なので、これを元奴隷が書けたはずはない。

そんな風評から、出版当初はあまり評価されなかったとか。

最近になって、それが訂正され、アメリカでベストセラーになったらしいです。



持ち主の信頼を得て自由になった祖母に助けられて

逃亡後、7年間も潜伏する主人公。

(本を書いたんだから、きっと助かる!大丈夫よね!)と思いつつも

手に汗握って 一気読みしてしまいました。



はっきり言って

ストゥ夫人の 「アンクル・トムの小屋」 よりも中身が濃い。

ノンフィクションの強みでしょうか、登場人物の息づかいが聞こえます。

家事を済ませたあと、美味しいクラッカーを作って販売する許可をもらい

せっせと自分や孫を買い取るためのお金を貯めるお祖母ちゃん。

そんな自由もあったんだ、と 奴隷制度の実情に目からウロコです。


奴隷が生んだ子供は、母親と同じ身分、という定めなので

持ち主の経済状態の悪化や見せしめから、子供を売却されるという悲しみは

古き良きアメリカの 過去の恥部としか思えません。 

父親が白人でも、それは平気で繰り返される歴史・・・・・

父性愛って、なんて頼りないものなんでしょうね! ←とトンチンカンに怒る



本文中で、作者は、奴隷制度は白人黒人双方にとって悪いことだ、と述べます。

もしこの制度がなければ、こころ穏やかに過ごせるだろうに、

女奴隷を自由に出来る夫の行動を 見て見ぬふりをする妻。

もちろん、表に出せない嫉妬から、主人公に辛くあたります。

相当酷い態度に描かれていますが。 でもね。

いい縁談に夢を描いて嫁いできたかつての若い花嫁には 予想外の境遇。

妻妾同居を許された昔の日本でも、同じ思いをした女性も多かったのでは。

虐げられる奴隷女性とともに、思いがけない境遇に苦しむ白人の妻にも

おもわず (可哀想に・・・)と つぶやいてしまいました。

こういう心の動きは、若い頃に読んでいたら無かったでしょうね。



ま、ま、ともかくも、どこかで見かけたら是非手にとっていただきたい一冊です。

奴隷制度とは関係なく、女性や弱者の受けるいわれない被害について

120年の時をこえて 考えさせられる・・・・・ そんな余韻を残す本です。 



できれば、アンにも読んで欲しいな。 柔らかな若い感受性を持ってるうちに。

なんたって、作者のミドル・ネームも おなじアンだから。







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この記事へのコメント

森戸やすみ
2013年06月15日 17:35
うわー!読みたい。
積読がたくさんあるから迷いますー。
日本語のKindle版はないようです。
うさぎママさんとは読書の趣味が合うかもしれませんね。
うさぎママ
2013年06月15日 21:01
>森戸やすみさんへ
うふふ、語学力のある方は、英語版Kindleで楽しまれるのもいいでしょうね。
もう少ししたら、お子様たちにも是非オススメしたい本です。

私の読書は、純然たる娯楽なので、面白そうならなんでも読みますよ。
そのなかで印象に残る本が、私の趣味ってことでしょうか。
エイラはいまだ余韻を残していて、庭のハーブを干して、ひとりでエイラごっこ楽しんでますよ(笑)
今夜はジョンダラーが遠出の狩りから帰ったので(爆)エイラを見習って、頑張って食卓をととのえましたが、庭でつんだ三つ葉を味噌汁にいれたら
「またこれ?」と文句言われました。

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