他人からの告知

娘のアン以外には 身近で養子さんは知らないうさぎ・・・

あ ひとりだけいました。 

「明日 うちに赤ちゃんが来るの。」 と 浮き足だって話してたら

即 家を訊ねてまで わざわざベビーカーを届けてくれたママ。

「よかったら使って。 うちに3人目が出来るようになったら返してね!」

そのお隣のカモメさんは うさぎのおしゃべり仲間だったので

なんとなく言葉をかわすようになっていた 浅い付き合いのママでした。 



「わたしも 2才まで うさぎさんがお手伝いに行ってるとこにいたのよ。」

「えっ 赤ちゃんハウスに? 」

同じ団地で 元気な二人の男の子を育てている 美人ママでした。

子だくさんなお家から 貧しさゆえに 手放されたらしい、とは本人談。

アンを膝に抱きながら カモメさんのお宅の居間で

すっかりうち解けてお話する仲になれて よかったです。



真実告知が 話題になったときの事です。

普通に育ったカモメさんは 「小さいのに教えるの、可哀想かも?」 と

うちの母親みたいなこと、言ってましたが

この美人ママが ご自分の体験談を披露してくれました。

「やっぱり ちゃんと 親から話しといた方が いいと思うわ。 わたしもね・・・・」




そこそこ豊かな農家に迎えられて 大切に育てられた彼女も

成長するに従って 「なんか変? もしかして私・・・」 と感じ取ったとか。

でも 大好きな優しい両親は 何にも言わないし 

薄々わかってきただけに こちらからは訊けないしね。

とても賢いひとでしたから 両親の気持ちを思ったんでしょうね。



ところが

どこにでもいる 困ったおばちゃん! え うさぎのことじゃないよ~~~

彼女が多感な中学生の頃 いつものように仲良しの女の子と下校途中

ばったり出くわしたのが 遠縁・うるさ型のおばちゃんでした

どうもねぇ・・・メイプル家のお姑さまとかぶるのよ、うさぎの中では。

常識はあるし むしろありすぎで ご自分が一番正しいと思ってる方。

そして 思ったことは何でも口にする方。 又それが自慢なのよぅ~ 

ほら、正しい(と思いこんでる)ので 遠慮なし。 



まったく初対面の彼女の同級生がいるのも 完全に無視して

いきなり お説教が始まったんだって!



「今頃帰るなんて 遅すぎる。 どこで道草くいよったの?

あんたは 血もつながっていないのに育ててもらった恩があるから

ちっとでも早う帰って 家の手伝いをするべきじゃないかね?

だいたい何処の馬の骨ともわからん子を 跡取りにする話は

親戚中 だ~れも相談うけとらんかったんや。 ブツブツブツブツ・・・・」



気まずく ともだちと黙って帰る道・・・・・

大人なら 「ごめんね、びっくりさせたね、実はね。」と 言い繕うすべもあるけど

彼女は 自分の胸の中の嵐をしずめることすら 出来ない状態。

「よそのおばちゃんから 言われたのもショックだったし

ともだちの前で そんな話をされたのは なおさらショックだったし。」

密かに 何にも言ってくれなかった両親を 恨む気持ちが生まれたようです。

高校生の頃は 「とても反抗した困った子だった」 とのことですが。

なに、養子実子問わず 反抗期はたいていみんな 「困った子」ですよ!



反抗期真っ最中に 親戚の葬儀に列席したときも

ひとりづつ 仏様に触れるしきたりの最中に

「ァ、あんたはダメ、血が汚れるから!」 (よその血が入る???)

と 大声で止められたのも ショックだったとか。

この時は 大人しい母親が 猛然と刃向かって彼女を守ってくれて

胸のわだかまりが あっという間に 溶けていった、ということです。



話を聞いた時点では 元気な孫ふたりを可愛がってくれる両親には

上の学校もいかせてもらったし 養子には入れない、というダンナ様に

快く嫁がせてくれて 幸せな結婚もできたし、と 感謝いっぱいの彼女でした。



それでも いまだに

「両親から先に話をきいていたら あんなにイヤな思いはしなくてすんだのに。」

心の底の底では 小さな棘がチクチクと 彼女を傷つけているようでした。



「黙っていれば わからない」 って 絶対そんなこと ないですから。

この親戚のおばちゃんは 特別におせっかいだとしても

悪気なく なにげなく こどもにわからないつもりで

世間様は いろんな地雷を踏んでくれますよ。



「似てきたねぇ、不思議なものじゃねぇ~ 心配ない、ない。」

「こんな良い子に育って、(もらって)よかったねぇ~」

と こどもに解らないつもりで 本人の前で言ったりする

なかには 親同士の会話から察したともだちから

いきなり 「ホントの親はどこにいるの?」 と訊かれたって子も。



娘への真実告知が 適切だったのか正解だったのかは

いまだに ふと不安になるうさぎですが

少なくとも 

他人の口から なにより大切な娘の心を傷つけるような

そんな言葉を 最初に聞かせることが無かったことは

最低限の親の責任を果たした、と思って 自信をもっています。



宇宙服を着せておくわけにはいかないから 雨が降ると濡れるでしょう。

それでも 心に小さな傘をひとつ 手渡してあげてたら

噂や偏見の雨にさらされたとき、ずぶ濡れになって再起不能ってことは

なんとか防ぐことが 出来そうに思います。

あなたの大切なお子さんに

どうぞ 土砂降りの雨の中に たった一人で傘もなくたたずむような

心細い思いを させないで下さいね。




親から渡された小さな傘で 雨の中を歩ける強さを持つように

どうしても こらえきれなくなった時には

もっと大きな傘を差している親の元に 遠慮なく頼っていけるような

そんな信頼関係を 真実告知を乗り越えて築かれますように。




え? うち?

はい、おかげさまで アンはなんとかきちんと傘をさして

ひとりで歩けるような子に 育ってくれました。

(と マシューうさぎは勝手に思ってるけど ) やはり親バカ?


アンにいわせれば

「もうっ ママはいっつもうっかり傘を忘れるから おもりが大変!」

なんてね。

手のかかるうさぎかも。

これからも よろしくね、アン。 うふふ。 













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